ラーメン発見伝その魅力

 タイトル通り題材をラーメンに絞った料理漫画「ラーメン発見伝」
ムカつく顔して上から目線の正論を吐く謎のハゲ…こと芹沢サン(芹沢達也)
の姿をご覧になった方も多いのではないでしょうか。彼がこの漫画の
登場人物です。
 しかし、彼はムカつく顔で人を小バカにしたことばかり言っている
鼻持ちならないハゲではありません。

 あのハゲこと芹沢サンが気になって実際にラーメン発見伝を
読んでみると芹沢サンのイメージはおそらく180°変わることでしょう。

実際のラーメン発見伝の主人公はサラリーマンながらゆくゆくは
ラーメン屋を開きたいと思い、日々食べ歩きや研究を重ね、
さらには屋台を引いて実際にラーメンを供する事もしている
藤本クン(藤本浩平)です。

会社ではグータラ社員で通っていますが、反面ラーメンの
知識や向き合い方は作中でもピカイチ。彼と芹沢サンの
出会いと、その対決が物語のメインとなっていると
言って良いでしょう。

 そしてそんな藤本クンと常に行動を共にするのが
会社の同僚でありラーメン好きでもある佐倉サン。
目立った恋愛エピソード等は無いのに、藤本クンの
隣には佐倉サンがいないとしっくりこない感じがする、
なんと言うか有無を言わせぬヒロイン力が魅力。
ってこれ褒めてるんだかいないんだか…

今回は、藤本クンと芹沢サンの名シーン、後半は
藤本クンと佐倉サンの恋愛を感じさせたシーンに
注目して全巻を紹介していきたいと思います。


藤本クンと芹沢サン1

巻数 タイトル/内容

第01巻
繁盛店のしくみ(前編)
第一巻7話で芹沢サン初登場。意外と登場は早いですね。しかし登場から芹沢サンはトップギアです。藤本クンを味はわかるが、商売に付いてはからきしと看過します。この時点ではまだ芹沢サンに取って藤本クンは単なるラーメンマニアといった認識だったことでしょう…しかし。
ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!

第01巻
繁盛店のしくみ(後編)
藤本クンは再び清流房を訪れ、濃口らあめんの改良策を提案します。ウソは食わせたくない、と芹沢サンに反論した藤本クンですが、最大の功績はこれによって芹沢サンが藤本クンを認める第一歩となった事ではないでしょうか。芹沢サンが藤本クンによって冷や汗を流していますが、これは藤本クンをノーマークだったためでこれ以降は藤本クンによって冷や汗を流す事は減ります。

第02巻
塩の秘密(前・後編)
芹沢サン再登場。藤本クンによる濃口らあめんの改良策を店で暴れた迷惑料として使われ、これでトントンかと思いきや、儲けさせてもらったので借りを返すとばかり藤本クンへの返礼を兼ねた初のラーメン勝負に発展。芹沢サンはこの時点ですでに勝負を通して藤本クンに気付きと、成長を促している事がわかります。土壇場で改良策を思いついた藤本クンに舌打ちこそすれ、終始嬉しそうなのも印象的です。
その間違いを頭ではなく五感で体得しない限り、オマエは同じ間違いを繰り返すはずだ。

第03巻
コンペ勝負!!(前編)
この回からフード・プロデューサーとして芹沢サンが藤本クンの会社へ参画することになり、以後続くラーメン勝負の幕が切って落とされます。登場時は仏頂面の芹沢サンですが、そこに藤本クンがいるとわかった以後の表情が生き生きしてて吹くw そして巧みに発破をかけつつコンペに持ち込む芹沢サンは抜け目無いです。コンペ自体は芹沢サンのミスにより持ち越しとなりますが、この時のミスとは? との藤本クンの問いにちゃんとヒントを与えてくれる芹沢サンが…
……"鮎の煮干し"だ。

第03巻
コンペ勝負!!(後編)
芹沢サンのミスと佐倉サンの機転で持ち越しとなったコンペ。前段階で負けていたと感じた藤本クンは改良を施し本番に挑みますが、そこで前回の芹沢サンと同じミスを犯してしまいます。それに気付く芹沢サンと気付けない藤本クンのレベルの差が浮き彫りになりますが、芹沢サンはなおも発破をかけます。
まだプロになる気があるのなら、覚えておけ。厨房だけがラーメン屋のすべてではない!

藤本クンと芹沢サン2

巻数 タイトル/内容

第04巻
ネットバッシング(前・後編)
ラーメンとネットを巡る弊害を書いた話。芹沢サンがバッシングを仕掛けたわけではないのですが、ネット上のオタクを巧みに誘導する芹沢サンに対し藤本クンは有栖サンと手を組み一杯食わせる事に成功します。芹沢サンのマーケティングの一端が見えると同時に、それでもこの程度では揺るがない大物っぷりも見せつけ、さらにこんな状態にされても藤本クンへの遠回しなアドバイスも欠かさない芹沢サンです。
オマエの言ってる事は「マニアの理論」であって「店の理論」ではない。

第05巻
プロとアマチュア(前編)
四巻は台湾道中などがあり後半はお休みだった芹沢サン。五巻では冒頭からいきなり登場します。そしてレストランでの塩ラーメンコンペを控えた藤本クンのつぶやきを耳にし、なにやらほくそ笑みます。が、ここで黙っているのは凡悪役。ヒントを与えにいっちゃうのが芹沢サンですw
なあ…もしやオマエは、ラーメンと見ると一口も食べないうちから胡椒をバサバサ振りかける手合いか?

第05巻
プロとアマチュア(後編)
前編ですでに藤本クンの犯すであろうミスを察知していた芹沢サン。予測通り策士、策に溺れる状態の藤本クンに対し、先に指摘していた「うまさというのは五感のすべてで感じる」を用い、文字通り圧勝します。しかしそれでも最後の芹沢サンの笑みは決して藤本クンを馬鹿にしたり見下している物ではなく、心底嬉しそうなのが印象的です。
よく覚えておけ。ラーメンは伝統料理と違い、セオリーもマニュアルも無い。"常識"にとらわれているようでは、まだまだだな。

第05巻
つけ麺の弱点(前編)
えっ!?またコンペ!? 今度はつけ麺です。つけ麺の弱点に付いては気付いていた藤本クンですが今回も芹沢サンに及びません。しかも前回同様実物も見ずに「仙台の冷やしラーメン」と言うワードだけで勝利を確信されてしまいます。結果は双方採用のドローでしたが、実質芹沢サンの完勝です。

第07巻
客の心理(前・後編)
六巻では登場が無かったですが七巻では冒頭から登場。ダイユウ商事もラーメン店舗を出す事となりその担当に藤本クンが任されます。店を持つ事を目指す藤本クンにとって大きな経験となるであろうこの仕事…ですがその前にも芹沢サンは立ちはだかります。そして随所でヒントをもたらすのですが、藤本クンはなかなかそれに気付けません。ようやく気付いた所で、満を持して来店した芹沢サンは接客や、サービスについて重要なヒントを告げるのでした。
「うまいラーメン」で満足しているのは、アマチュアに過ぎない。「うまい店」を目指してこそ、プロなのだ。

藤本クンと芹沢サン3

巻数 タイトル/内容

第07巻
油の魔術!?(前・後編)
出店したラーメン店舗と芹沢サンのプロデュースするライバル店「麺 朱雀」。しかしこの朱雀の店主がかなりの食わせ物。芹沢サンが慌てる姿はなかなか見られませんが、そんな中でも香味油の話になった際は藤本クンと真面目な顔で談義するなど、やはりこの人もラーメンに対する情熱は超一流です。一方で芹沢サンが出店の立地の見極めの甘さを自覚するといった珍しいシーンもあります。

第07巻
ラーメン発見伝番外編・スープが冷めた日
芹沢サンが遂に単独で出ちゃいましたw おいおい…しかし、芹沢サンがなぜあのような人になったのか、最初はどのようにしてラーメン屋を営んでいたのか、理想のラーメンに対する向き合い方などがわかる一編です。しかし第一巻で淡口らあめんが自分の理想と言った事、腕を磨き続けたいと言っていた事、それは決してウソではなく、そしてこの時の考え方のズレが最後の戦いの結末へ繋がると思うと意味深です。
あの頃は、オレも青かったな。うまいラーメンは誰にとっても うまいはずだなどと信じていたんだから…

第08巻
魅惑の夏野菜対決!!(前編)
八巻では夏野菜を用いた創作ラーメン対決の流れとなります。本当にコンペ好きですね芹沢サンはw 藤本クンは野菜農家へ出かけアイデアを重ねますが、芹沢サンは洋食で流行し始めていた技術エスプーマを用い今回も完勝。藤本クンにラーメンにサラダを乗せるだけでは? と問われた際の返答通りにやってのけ勝ちをかっさらい格を見せつけました。ここで藤本クンがずっと抱えている問題を遂に指摘します。
オマエのやっていることはいつも、既成のラーメンの構造に乗っかって、細部をチマチマ改良しているだけだ…

第09巻
小池サン、廃業!?
人気が出て行列ができトラブルになってしまったラーメンこいけ。なんとかしようと思案する藤本クンの前に偶然芹沢サンが…。人気店を経営する芹沢サンに渋々質問した所、芹沢サンからは珍しく相談を受けたんだから…と答えてはくれる物のなかなかダーティーな返答w
ただ質問する前、藤本クンが佐倉サンと何やら困っているのを見て、真剣に「どうした?」と尋ねてくる芹沢サンが頼りがいあり過ぎですw

第09巻
ラーメン刺客!!(前・後編)
清流房の支店長候補岩下のテスト相手にかり出された藤本クン。結果的にこれは岩下と藤本クン双方に成長を促す芹沢サンの遠謀といえます。この戦いで藤本クンは芹沢サンの想像を突破するのですが、そのせいでしょうか岩下が破れても笑みを浮かべる芹沢サンの姿が…なお、岩下は実は悪い人ではなく続編でも登場します。

藤本クンと芹沢サン4

巻数 タイトル/内容

第09巻
非常なる結末!?
遂に開催されたラーメン・マニア・キング。一回戦を突破した藤本クンの前に芹沢サンの姿が…ラーメン業界で芹沢サンに比肩する大物千葉周児が登場します。

第10巻
マニアの意地!!
ラーメンマニアと言う人種に店を潰されて以来それを毛嫌いするようになった千葉。しかし脱サラしラーメン業界に入った経歴を持つ千葉を藤本クンに引き合わせたのは芹沢サン。彼の意図はどこに? 未だラーメンマニアの域に留まる藤本クンですが千葉の言葉につい反論してしまいます。それを眺めていた芹沢サンの楽しそうな表情…

第10巻
自分のラーメン(前編)
手強いライバルたち、そして強敵千葉を破り遂にラーメン・マニア・キング優勝を果たした藤本クン。一気に知名度を上げ優勝賞金も手にします。遂に独立か!? その前に自社レストランで完全プロデュースのラーメンを作る事になるのですが、芹沢サンは舞い上がる藤本クンを一喝します!
ラーメンという枠の中では…だと? 馬鹿を言うな!!ラーメンに枠などない!!

第10巻
自分のラーメン(後編)
和のラーメンコンペで芹沢サンとドローに持ち込んだ藤本クン。ラーメン・マニア・キングでの優勝も重なり余裕を見せますが、芹沢サンは核心を突きに来ます。芹沢サンは決して怒ったり叱責するのではなく、おそらく自身も天狗になる、増長するなどと言う所はすでに通り過ぎているのでしょう、その忠告は舞い上がっていた藤本クンを叩きのめす物でした。
要するに、オマエには本当に作りたいラーメンがないんだよ! そういう人間がいったい、どんなラーメン屋を始めようっていうのかね? 藤本クンよ。

第11巻
銚子港フェア(前・後編)
独立を保留し自分のラーメン探しを始めた藤本クン。平行してのコンペ対決が起きますが、この戦いでスープを飲んだ芹沢サンが久々に冷や汗を流す描写が見られます。結果は両者採用のドローで終わり、これまでのように芹沢サンが藤本クンに憎まれ口を投げかける事もありません。有栖サンの語った言葉にその思いは集約されているでしょう。
まあ、確かに…アイツにしては頑張った方かもしれんな。

藤本クンと芹沢サン5

巻数 タイトル/内容

第12巻
激突!千葉vs.藤本(前・後編)
ラーメン・マニア・キング決勝で破った千葉周児からラーメン対決を挑まれた藤本クン。副業禁止の藤本クンはマスクをかぶりこの対決に望み千葉を打ち破ります。試合後千葉からはこっち側、つまりラーメン屋側に早く来るよう発破をかけられ、千葉からもその手腕を認められた藤本クン。対して芹沢サンは黙ってその場を立ち去るのでした。

第13巻
リニューアル対決!!
ラーメン店のリニューアルを依頼された藤本クン。藤本クンは味を変える事でそれを行おうとしますが、依頼主の家族が釈然とせずその後、依頼は芹沢サンに任されます。芹沢サンはラーメンの味は変えず、店舗の内装やインテリアを変える事でそれを達成。店主からもラーメンがそのままの形で残るが嬉しいと聞かされ完全敗北を喫します。
しかしうなだれる藤本クンを見やる芹沢サンの視線からは、何かを説いているような複雑な物が感じられます…

第14巻
夢のビジネス
ボンボンの小菅が登場。ラーメン屋をどこか小バカにしている小菅に藤本クンもあきれ顔ですが、金はあるのであっという間に自分の店を持ってしまいます。開店祝いで芹沢サンと遭遇。「よお!」「せ、芹沢サンっ…」のコマが出て来るのがこの回です。小菅のような手合いを嫌いそうな芹沢サンですが、金のためにそれを持ち上げるようなデタラメな事はしないと言う挟持を地味に口にしていたりします。

第14巻
冷やしラーメン勝負(前・後編)
久々のコンペ対決。しかし藤本クンは葉月からレストランの新メニュー考案業務から外れるよう言われます。が、それ自体をコンペで決めようと四谷課長から提案が。今回のテーマは冷たいラーメンかつ必ず氷を使うと言う物に…これはテーマを決められれば強さを発揮する藤本クンに芹沢サンが助け舟を出した…と言う佐倉サンの予想は当たっているのか、それとも有栖サンのいう通り芹沢サンは藤本クンとの戦いを通して自身を高めたい、と言う意図があるからでしょうか? どちらにせよ、対決のたびに藤本クンは成長します。

第15巻
激辛ラーメン対決(前・後編)
有栖サンの顔を立て再びマスクをかぶっての公開ラーメン対決に出場する事になった藤本クン。しかしその相手はまさかの芹沢サン。しかも藤本クンはテーマとなる激辛ラーメンについては若干苦手としていると言う悪条件。結果引き分けに終わりますが、今回は芹沢サンが藤本クンのマスクを剥がしにかかったのか、あるいは激辛ラーメンという局面での経験を積ませたかったのか判然としません。
ただ藤本クンはまたしても既成の改良にとらわれているのは確かです。それに気付かせたかった?

藤本クンと芹沢サン6

巻数 タイトル/内容

第15巻
恭麺亭vs.真恭麺亭(中編)
藤本クンとも因縁のある細川と天宮と言う二人が組んだ真恭麺亭。藤本クンたちが懇意にする本家の恭麺亭と勝負する事になってしまいます。その判定を有栖サンと芹沢サンが行う事に。袖の下を渡せば判定に色を付けるとうそぶく芹沢サンに藤本クンはくだらない冗談はやめろと言いますが、これは無意識に芹沢サンは自分の関わるラーメン対決でそう言う事はしない、と藤本クンが理解してるという点に注目です。それを理解する芹沢サンの乾いた笑いもポイント。
自分が関わらない勝負の審査と言う事もあるのでしょう、席を立った際に芹沢サンは久々に藤本クンに喝を入れます。
低レベルの勝負の審査なんかさせんなよ。

第15巻
恭麺亭vs.真恭麺亭(後編)
実質天宮との対決を制した藤本クン。天宮必勝の策は秘伝の調味液でしたが、芹沢サンはそれでは供給に見合わないと即座に看過し藤本クン側の勝利を宣言します。ラーメンマニアの陥りがちな問題。藤本クン自身もこれにより芹沢サンに敗北を喫したことがありました。天宮と藤本クンは似ている、優秀なラーメンマニアだと評する芹沢サンですが、この勝負を制した藤本クンには評価する言葉も…
今日の藤本クンのラーメンは、マニア的な発想では出てこない域に達してはいた。コンスタントにこれができれば一人前なんだけどなあ…

第17巻
老舗ラーメン店の謎(前・後編)
店主の亡くなった下町の老舗ラーメン店の立て直しを依頼された藤本クン。しかし今回ばかりは勝手が違いましたが、そこへ芹沢サンが登場。店員たちの亡き店主を想う人情をホラーと断じた芹沢サンは、そのプロデュース手腕を発揮し改革を難なくやってしまいます。日本一のラーメン屋であり経営のプロ意識を身を持って示した芹沢サンに、さすがの藤本クンも何の反論も出来ずじまいでしたが、若い店員たちは藤本クンのラーメンで目が覚めたと言ってくれ救いを得ます。
それでもラストの芹沢サンに自身の甘さを思い知らされたと感じる藤本クンと、黙ってその前に座っている芹沢さんの対比が見事です。

第18巻
篠崎の天敵現る!?
藤本クンにとって佐倉サンを巡る恋のライバルでもある篠崎。彼もまた芹沢サンとは因縁を持っていました。そんな芹沢サンに対して藤本クンと篠崎がタッグを組んでコンペを行う事態に。料理対決では一勝一敗の五分、そして今回ばかりはお互いに狙いを芹沢サンに定めるのですが、この二人、水と油なのでしょうか?

第18巻
ラーメン職人のなせる技!!
思わぬ形で意気投合した藤本クンと篠崎。打倒芹沢サンに一致協力を誓いますが、当の芹沢サンはテレビ局側から八百長を持ちかけられそれを受け入れている所を佐倉サンに目撃されます。結果は八百長の通り藤本クンたちの勝ちで終わりますが、芹沢サンを訪ねた先で二人はその底力を見せつけられることになりました。試合に負けて勝負に勝つ、わかる人にはその力量さがわかるラーメンを作り出す芹沢サンに、二人は圧倒されます。ヤバすぎです。

藤本クンと芹沢サン7

巻数 タイトル/内容

第21巻
青天の霹靂
拉麺タイムトンネルのプロデューサーを辞し、ライバルの六麺帝のプロデューサーとして藤本クンと全面対決の様相を呈するのがこの巻から。遂に藤本クンと芹沢サンの対決の幕が上がります。六麺帝のプロデューサーとはいえそこに加わるラーメン店主たちは芹沢サンのライバルでもあり、単純な一枚岩とは言えません。一方で藤本クンはその自由な立場から店主たちに協力をする一方、店舗運営やマーケティングなどの知識をどんどん積み重ねていきます。

第22巻
暴れん坊店主
六麺帝との戦いは第二戦へ。しかし道産子気質の三原には芹沢サンも終始押されっ放しで、戸惑ったり驚いたり冷や汗だらだら流す珍しいお茶目な芹沢サンがたくさん見られますw また作中で面と向かってハゲ呼ばわりするのはこの人くらいしかいなかったりもします。ハゲと言われ「え、えっ…?」と困惑する姿は非常に貴重です。次回作に登場するゆとりにも圧倒される事が多い辺り、さすがの芹沢サンも想定外の女性の扱いは得意ではない様子。
ちなみにあまりにハゲ呼ばわりされるので、芹沢サンが剃髪している理由を思わず言ってしまうなんてシーンも。

第22巻
奥深きラード
芹沢乱入
三原の態度に辟易とする芹沢サン。しかし遅くまで創作に没頭する三原に感心したり、逆に三原からラーメン馬鹿と感心され返され、でも結局言い争いになったりペースが狂いますがこんな感情的な芹沢サンを初めて見る感じです。芹沢×三原…あるんじゃないでしょうかw
続く回では三原の試作品を試食した芹沢サンが思わず激高。でもそういう芹沢サンも良いと思います。それでもラストのシーンで三原の腕をつかみ「待て。」からのシーンは芹沢サンとは思えない格好よさです。
オマエ、このままだと負けるぞ。

第22巻
知性vs.野性
続く第三戦はどきゅんの武田と若手のホープ中嶋の激突となります。中嶋の店を訪れた藤本クンに対し中嶋は自分と同じ志を持っている讃え、二人は握手を交わします。直前に遭った芹沢サンからは、似た生い立ちである事を持ち出され、見えない発破をかけられるのでした。
動いた者と、まだ動けない者の勝負が、どのようなものになるか? 大いに楽しみにしているよ。

第22巻
ドンブリ三国志
中嶋と武田、実質的には藤本クンとの対決は武田の策略も功を奏し勝利を物にします。中嶋は藤本クン自身は策謀を知らなかったと判断し、味の優劣を確かめたいと申し出ますが、そこでも中嶋と芹沢サンは唸らせられる事に…未だラーメンマニアで居続ける藤本クンは様々なジャンルに対して傍観者でいられたからこそ勝てた、と芹沢サンはうそぶきますが、次の一言こそが偽らざる本音といえるでしょう。遂に芹沢サンが自分と同じステージに立つ事を求めるのです。
オマエは、いつまでそっち側にいる?

藤本クンと芹沢サン8

巻数 タイトル/内容

第24巻
一杯差の勝負運
第四戦は博多ラーメン同士の激突。今回はメニューではなく何杯作れるかのスピード勝負に、助手として藤本クン、芹沢サンが加わり一騎打ちの様相を呈します。勝負中のピンチもとっさの機転で挽回する藤本クンを見て芹沢サンは素直に舌を巻きますが、そこは真剣勝負。一進一退の攻防が繰り広げられ、最後は藤本クン側の権藤が事前に茹で加減を予測すると言う神業を見せ決着。 これにより両者の勝敗はイーブンとなるのですが、これも芹沢サンの狙い通りなのでしょうか?
心のどこかに、2勝2敗になることを望む気持ちがあったかもな。

第26巻
万福寺公園の夜
遂に一対一の最終決戦を迎える藤本クンと芹沢サン。芹沢サンは自身の最高峰「淡口らあめん 極」で勝利を確信しますが、結果は藤本クンの完勝で幕を閉じます。結果に納得できない芹沢サンは有栖サンの勧めもあり、藤本クンのラーメンを口にした瞬間、自らの負けを悟るのでした…。
しかし、いや、やはり、オレは…客を信じ切れなかった…オレの……負けだっ!

第26巻
ありがとうごさいましたあっ!
最終回。脱サラし遂に自分の店を持った藤本クン。当然その隣には佐倉サンも一緒でした。大団円のムードの中、芹沢サンも来店しますが、そこで詰めの甘さを指摘します。最後にして最大のサプライズの開店祝い、藤本クンは芹沢サンとの戦いの中で鍛えられた、芹沢サンこそ自分の師匠と言える人と気付き礼をのべます。無論芹沢サンもその意味に気付いてはいたでしょうが、開店祝いの礼にしては大げさだ、と鼻で笑って別れるのでした。
店をやるということは、常に時代の嗜好の半歩先を行く姿勢が必要だ。それがもう、今から立ち止まっているとは…大丈夫なのかね、藤本クン!

 振り返ってみると、芹沢サンは藤本クンにとって絶対的なライバルでありまた壁でもありましたが、
両者はやりたい事や、やろうとしている事、なによりラーメンに対する強い熱意・情熱が共通している
と言う同志の面も多々見られます。
またお互いに意識はし合っても、敵意や悪意と言った物は一切ない事もわかるのではないでしょうか。

 将来ラーメン屋として独立を目指す藤本クンに対し、ラーメン業界で頂点に立っている芹沢サン。
理想を追い求める甘ちゃんのアマチュア、と見下してもその熱意は芹沢サンだって若い頃に
持っていた物のはず。だからこそ、藤本クンを常に気にかけているのでしょう。有栖サンが
後輩を案じている先輩のよう、と最後に評したのもうなずけます。

 この手の越えなければいけない壁兼ライバル的キャラと言うと、それこそ同じ料理漫画
「Oしんぼ」のK原U山や「GップラーBキ」のH馬U次郎が思い浮かびますが、芹沢サンは
そう言ったキャラよりも魅力的に書かれている要素も多く感じます。

 と言うのも芹沢サンは初登場した一巻から、実は全くキャラがぶれていません。事あるごとに
藤本クンの前に立ちはだかりますが、藤本クンを馬鹿にしたい、コケにしたい、蹴落としたい、
と言うような悪意ある意味ではなく、藤本クンに学びや気付きを与え、一見憎まれ口を
叩くようにみせてラーメンの創作や、なにより店を構えるための大切な事を惜しみなく
教えていることがわかるかと思います。

 最後に文字通り完全決着するのもすばらしいです。芹沢サン自身が自らの負けを認める、
それも自分自身が客を信じきれなかったと悟るシーンは、芹沢サン本人のまじめで真摯な
職人の一端であり、また藤本クンと同じ思いを持っていたと言う志も感じさせます。

 何より、これで終わらず最後に独立した藤本クンを訪ね、激励とアドバイスをする事で
その格を保った点もキレイですね。強大なライバルキャラが遂に主人公に破れる、
それも完全決着にも関わらず、ライバルキャラの格が失われない。むしろさらに
格が上がり、主人公が下がるわけでもない。理想的すぎる決着ではないでしょうか。

 先に上げたライバルキャラが扱いに困ってしまって、保護されている状態なの
とは好対照です。

さて…芹沢サンと藤本クンばかり取り上げてもいられません。次は作中で
絶対的な安定ヒロインポジと言っても良い、常に藤本クンを支え続けた女性
佐倉サンとのエピソードを振り返ります。


藤本クン×佐倉サン

02巻

「大衆料理の味」
 佐倉サンの友人とその婚約者のラーメン屋を手助けするというお話。この話で
佐倉サンが短大卒だと判明。同時に藤本クンは中秀大学という大学卒と、なぜか
二人の出身が明らかになったりもします。最後は無事丸っと解決しますが、
その際に友人から佐倉サンに「藤本サンと頑張って」「お似合いの
ラーメン・カップル」
と言われます。ただ、この時点で佐倉サンは怪訝そうな顔で
藤本クンを脳味噌がラーメンでできてるような人と? と疑問視する程度…w
「トンコツ大戦争」
 後にも何度か登場するとんこつラーメンの「どんたく亭東京支店」。
藤本クンと二人で訪れたところ四谷課長から「そういう仲」と勘ぐられます。
焦って否定する佐倉サンに対し、藤本クンは至って真顔でラーメンを
食べに来たんだ、と言い切るのが…
 藤本クンの福岡出張に佐倉サンは有休を取って同行しますが、それを
ラストで四谷課長からまた勘ぐられると、またしても否定しますが…

08巻

「サイドメニュー」
 佐倉サンと藤本クンがケンカになると言う作中通してみると
極めて珍しい事が起きる回。そこへラーメンの相談が持ち込まれますが
ケンカが尾を引き、佐倉サン一人でこれに当たる事に…。
しかし上手くいかないでいる事を知った藤本クンが手助けし事なきを
得ます。アップの佐倉サンが可愛いですw
「テレビの現実」
 花輪亭のトラブルメーカー片山サンがまた一悶着起こす回。
今回も藤本クン、そして有栖サンの知恵で事なきを得ますが、
片山サンのダメっぷりを見た祐介は、ダメ男と物好き女は他にも
いる物だと佐倉サンと藤本クンを揶揄します。怒る佐倉サンに対して
気付いていない藤本クンと言う構図は変わりません。

09巻

「スパイスの役割」
 藤本サンが美女と一緒にいる所を目撃した佐倉サンは気が気でなく
その後を追ってしまいます。まあその美女は藤本クンの大学の先輩で
案の定ラーメンの相談を受けていたのですが、それよりなによりこれまで
仲を疑われると否定していた佐倉サンが、藤本クンが他の女性といると
ジェラシーを見せる点に注目です。そしてラストでは先輩から藤本クンを
お願いと言われ、またまた否定していますw

10巻

「マニアの意地!!」
 ラーメン・マニア・キングが開催され、女性ラーメンマニアの
響子チャンと知り合った藤本クン。彼女に興味を持たれた藤本クンに
またまた心中穏やかでない佐倉サンでした。
「自分のラーメン(後編)」
 ラーメン・マニア・キングを制しラーメン屋の開店資金を手にした
藤本クン。しかし芹沢サンから根幹に関わる疑問を呈され、これまでに
ないほど打ちのめされます。佐倉サンにも弱音を吐いてしまいますが…
前半最大の山場であるラーメン・マニア・キングの制覇と並び重要と
思えるシーンです。

11巻

「好きな味、好きだった味(前編)」
 藤本クンの自分のラーメン探しが始まります。それに
佐倉サンを誘うのですが、誘われた佐倉さんが何を勘違いしたのか
ドキドキしているのが可愛いですw 結果延々食べ歩きでおかんむりですが
藤本クン自身もそれに佐倉サンも、二人揃うのが当たり前みたいに
無意識に思ってそうで微笑ましいです
「オカルト・ラーメン」
 恋愛話ではないですが、作中見ていて響子チャンは巨乳だけど
佐倉サンは普通なのかと思いきや、この回ではペチャパイがトラウマなんだろう
と言われていることから、どうも貧乳気味のようです。扉絵とかの水着姿だと
結構胸あるように見えましたけど。

12巻

「魔法の塩水!?」
 さぬきうどん取材のため響子チャンとその元カレを伴い
香川県を訪れた二人。響子チャンの入浴カットが入るのに佐倉サンは
普通に寝てると言う謎の構図がw 一方で藤本クンは酔った元カレから
佐倉サンと付き合っているのではないのかと詰問されますw
「魂のラーメン」
 さぬきうどんを巡る騒動が一件落着しほっと
胸を撫で下ろす面々。一件に関して佐倉サンに助けられたと
感謝する藤本クン。二人の仲良そうな感じはやはり強固な
物を感じずにいられません。

14巻

「幻の博多屋台ラーメン」
 これまでは藤本クンの女性関係に佐倉サンが焼きもちを
焼く構図が多く、藤本クンは鈍感と言う感じでしたが、一連の
博多回では佐倉サンに好意を抱くキャラが出現。藤本クンは
気が気でなく、態度には現さないもののお互いがお互いに
好意を抱いている事がよくわかります。

16巻

 
 佐倉サンに本格的に好意を抱く篠崎の登場で藤本クンは
気が気ではありません。佐倉サンは佐倉サンではっきりしない
藤本クンにいらだちを感じたり、藤本クンもラーメンこいけで
ずっと待っていたら佐倉さんが来るのではと思っていたりなど、
二人の関係性がわかる回です。

18巻

 
 佐倉サンを巡り、また二度の激突を経てライバル関係
となったかに思える篠崎と藤本クン。しかし芹沢サンとの
創作ラーメン対決で協力する事に。当初佐倉サンを巡る
関係から当初ギクシャクする二人に対し佐倉サンは
愛想を尽かします。が、これにより二人の結束はむしろ
強まると言う結果に。二人は佐倉サンがはっきりしないから
ギクシャクするのだと言い意気投合しますが…
本当にはっきりしないといけないのは実は藤本クンです。

20巻

 
 佐倉サンにとって仕事上のライバルとなる同僚
進藤サンが登場。藤本クンを加え三人で進藤サンの故郷
和歌山へラーメン取材へ出かけます。そこでも騒動に
巻き込まれ藤本クンが活躍。これを見た進藤サンは
藤本クンに関心を持つように…

24巻

 
 進藤サンが藤本クンと二人で飲みに出かけた事から
気がそぞろの佐倉サン。焦りが重なりミスを繰り返す事に…
しかし結果的に挽回できますが進藤サンとはまだまだ
恋の駆け引きが続きそうです。肝心の藤本クンがそれに
気付いていないと言いますが、藤本クンと常に一緒に
行動できるのはやはり佐倉サンだけです。

26巻

 
 芹沢サンとの決着、そして藤本クンのラーメンのルーツに
連なる自分ラーメンの発見、そして独立。最終巻では佐倉サンとの
関係も決着します。

メインヒロイン佐倉サン

 振り返ってみましたが、芹沢サンと比べると取り上げる
シーンが少ないですね…
 ただ、ここから真のヒロイン芹沢サンw のようには
なりません。
 芹沢サンは作中のライバルにして越えねばならぬ壁、彼を
越える事こそが最大のテーマでもありました。なので基本、
全巻に登場します。それは敵・味方としての登場を問いません。

一方で、佐倉サンは全巻どころか全話において常に
藤本クンの隣で彼のラーメンとの向き合いを見守って来た、
藤本クンの最大の理解者でありパートナーの側面が強いです。

 藤本クンがアイデアを閃いた際はいつも「佐倉サン!」
と言う頃からもそれがわかるかと思います。彼女は常に
藤本クンの隣にいるのです。

 物語の冒頭から佐倉サンは藤本クンの秘密にしている
屋台を引いてラーメン屋をやっている事も知っていますし、
彼女もラーメンフリークでした。そしてかなり初期から
二人の関係性を指摘される事はあるのですが、二人が
お互いをどう思っているのか、意外とそれがはっきりする
シーンは多くありません。つまり割と最初から恋愛ゲージが
高めで始まるんですね。

 当初仲を指摘されても疑問視する佐倉サンに対し
全く気付かない鈍感藤本クンと言う構図ですが、
転機はやはりラーメン・マニア・キング優勝で独立の
機運が高まった時ではないでしょうか。

 芹沢サンの指摘から独立を諦めようとさえして
荒れる藤本クンを奮い立たせたのは、やはり
佐倉サンでした。

 実は通して見ると佐倉サンが藤本クンを
明確に奮い立たせるシーンはあまり多くありません。
芹沢サンとの最終戦においても、藤本クンにエールを
送ったのは藤本クンの父親でした。

 佐倉サンは目立ったヒロイン的な行動より
やはり常に藤本クンに寄り添う空気感のような
物のあるヒロインだと言えそうです。

 これ以降、藤本クンに好意を抱く女性や、
佐倉サンに好意を抱く篠崎などの登場もありますが
基本的に二人の関係はほぼ揺らぐ事はありません。
むしろ、そういった恋のライバルに嫉妬心をみせる
ようになります。

 そして芹沢サンとの最終戦。芹沢サンの項でも
書いた通り、独立も含め佐倉サンとの関係も終着。
大団円でラストを迎えます。

藤本クンが大体悪い

 見ていただければわかりますが、二人の関係は
割と最初から好感触で始まります。元々テーマが
ラーメンの漫画であり、ラブコメではないので二人が
不必要にイチャイチャもしないし、ギクシャクもしない。

 だからこそ時々ある恋愛エピソードが光を放つ…
そんな気がします。

 藤本クンは篠崎と意気投合し、お互いの関係が
ギクシャクするのは佐倉サンがはっきりしないのが
原因だ。と言い合いますが、作中を見る限り
一番はっきりしないのは藤本クンだと思います
(と、これは先にも書きましたね)。

 脳内がラーメン一色のラーメン馬鹿すぎて序盤は
恋愛自体に鈍感だったり(鈍感なのは最後までですが…)、
キャバクラ通いが好きだったりと、佐倉サンを
いらつかせたのは二度や三度ではありません。

 結局最後まで藤本クンからの直接的な告白も
無いのもちょっと驚きです。最終26巻でも
佐倉サン側からのアプローチで結ばれたような
物ですから…

 佐倉サンの玄関先での「それだけなの、藤本サン?」
屋台での退職願が無かったら藤本クン
どうする気だったんでしょ?


おまけ

ついでなので恒例…でもありませんが表紙登場キャラでも
計上してみましょうか。

一巻
藤本クン
二巻
藤本クンと佐倉サン
三巻
藤本クンと芹沢サン
四巻
藤本クンと佐倉サン(チャイナドレス)
五巻
藤本クン
六巻
藤本クンと佐倉サン(酔いどれ)
七巻
藤本クンと芹沢サン
八巻
藤本クン
九巻
藤本クンと佐倉サン、響子チャン
十巻
藤本クンと千葉周児
十一巻
藤本クンと佐倉サン
十二巻
藤本クンと佐倉サン
十三巻
藤本クンと葉月
十四巻
藤本クンと佐倉サン(同じポーズ)
十五巻
藤本クン
十六巻
藤本クンと佐倉サン(同じポーズ)
十七巻
藤本クンと佐倉サン(沖縄衣装)
十八巻
藤本クンと芹沢サン、篠崎
十九巻
藤本クンと佐倉サン
二十巻
藤本クンと佐倉サン、進藤サン
二十一巻
藤本クンと日下部
二十二巻
藤本クン、芹沢サン、武田、三原、西方、中嶋
二十三巻
藤本クンと佐倉サン、高城
二十四巻
藤本クンと権藤、石黒
二十五巻
藤本クンと町口、薮下、天宮
二十六巻
藤本クンと佐倉サン

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