優駿の門・小林さん名シーン

無印からG1、ピエタ、チャンプと続く競馬漫画の金字塔「優駿の門」
競馬漫画だけあって、そこには天才的な手腕を持つ騎手と共に
優れた名馬(=優駿)たちが登場します。

作品通してのメインとなる主人公は光優馬。作中屈指の天才騎手であり
その名はシリーズを通じて世界的な物となっていきます。
しかし、優馬は主人公として、ジョッキーとしては天才的すぎると言っても
過言ではないほどの天才です。馬の心がわかり、会話する事さえ出来る、
手綱を取ればその天性の勘と才能で確実に勝利をもたらす。

 しかし天才的なため目立った苦戦や挫折があまり無い主人公であり、
見ようによっては話がつまらなくなる可能性もあったのではないでしょうか。
 そうならなかったのは、癖のあるボムクレイジーのようなちょっと困った馬の
存在があったこと、そしてなにより厩務員小林さんの存在が大きかったと
私は思いました。

小林さんとは、慌て者でおっちょこちょい…愛すべき厩務員です。
ただし、作中で誰よりも馬を愛し、そして彼とふれあう馬たち皆に
深く慕われる、優駿の門世界一の名厩務員でもあるのです。

通して読めば読むほど。優駿の門の主人公は実は小林さんなのでは?と
思えて来るのではないでしょうか。

今回は、そんな小林さんの名シーンを紹介していきたいと思います。


小林さんと関わりの深い名馬たち

と、その前に
作中で小林さんと関わっていく名馬たちを簡単に紹介していきましょう。

アルフィー
無印初期における主人公的な馬。当初は臆病でしたが優馬と出会い
その才能を開花。作中屈指の賢い馬であり、その瞳は優しさで満ちている。
小林さんも愛した一頭なのですが…
以後の物語においても小林さん、優馬の中で重要な位置を占める名馬。
リップ
物語最初からいた小林さんとは付き合いの長い一頭。当初は割と乱暴な所も
見られましたが、後のクレイジーと比べると愛嬌があって気さくなで憎めない
一頭です。小林さんとも仲が良いですが嫉妬深いという面は無いようです。
ボムクレイジー
小林さんのつぶやきからその名がついた無印メインとなる一頭。以後の続編でも
重要な存在。いつも小林さんをおちょくってばかりいますが、反面どの馬よりも
小林さんを慕い、彼が離れたり他の馬に注目すると強いジェラシーを感じる
嫉妬深い一面も。
早風
優馬の親代わりと言える老馬。クレイジーさえ敬意を持って接し、彼のいう事なら
すんなり聞き入れるほどです。優馬のためなら命を懸ける覚悟を持っています。
アルフィーセカンド
アルフィーの全弟。アルフィーと同じく賢く優しい性格の持ち主。小林さんも
その瞳にアルフィーを感じ取りますが、ある一件では小林さんが厳しく喝を入れる
一幕もあります。
ラブゼット
クレイジーの妹。繊細で人と打ち解けにくい牝馬でしたが小林さんとはすぐに
信頼関係を築きます。
ポンコ
優馬がずっと探し続けていた馬。早風に似た落ち着いた雰囲気と優しい瞳を
持っておりクレイジーが早風と並んで敬意を払う数少ない一頭です。
哀歌
クレイジーの子。小林さんが育てるはずだったもののそうはならず、G1で
初めて対面することになりました。規格外の体躯を持っています。
アイアンマッスル
世界的なブリーダーであるドバイのキャメル殿下が自信を持って送り出した一頭。
小林さんと共にアメリカへ参戦。これにより優馬永遠のライバル左京と小林さんが
タッグを組むと言うことに。
レジスタンス
優馬がアメリカで出会った馬。ある一件から人間を敵視しており優馬以外の人間には
一切心を開かず、これまでの馬に無かったような鋭い視線を向けます。当初優馬は
小林さんなら彼を何とかできる考えレジスタンスを神宮寺厩舎へ送りますが、すでに
小林さんはマッスルと共に厩舎を去っていたのでした…
ピエタ
小林さん自身の夢の結晶と言える一頭。当初は小柄な白馬で競走馬とすると
頼りなかったですが、優馬も認める作中でも最強クラスの才能を持った「天馬」です。
小林さん自身の生み出した馬と言ってよく、その性格は心優しく賢い。アルフィーを
思わせる部分があります。
 彼が走り勝利する事は小林さんとその奥様の秀子さんから託された夢でもあるという
決意と覚悟を背負った馬。
チャンプ
クレイジーの子。優馬と知り合った日本有数の生産牧場磐河ファームの三代目
磐河成章に育てられた日本競馬界復興の切り札と言える一頭。父クレイジー以上に
ムラのある性格をしている一方、父譲りの巨体とずば抜けたスタミナ、そして潜在能力を
併せ持っています。これまでの馬と比べると癖が強く見ていてワクワクする部分が多いです。

無印編・1

巻数 タイトル/内容


優駿の門:04巻
さらばアルフィー
序盤屈指の落涙シーン。優駿の門の歴史に強く刻み込まれる名馬アルフィーの最期。アルフィーが最期の瞬間に捜していた人こそが小林さんなのでした。当の小林さんはそんなことは考えもせず、アルフィーが優馬を捜している思ってしまう辺り、小林さんの奥ゆかしさを感じずにいられません…。この一件で小林さんにとってアルフィーは忘れられない最愛の一頭となるのでした。

優駿の門:08巻
弥生賞の朝
この段階で作中に登場済みのアルフィーの全弟アルフィーセカンド。彼と小林さんが発遭遇するのがこの回です。アルフィーに瓜二つのセカンドを見てアルフィーが帰って来たとさえ思ってしまう小林さん。クレイジーに嫉妬されるもセカンドを必死でかばいます。セカンドにもその想いは通じており、すぐにセカンドは小林さんを気に入ります。この辺りからたとえライバルとなる馬であろうと分け隔てのない小林さんが見えてきます。

優駿の門:12巻
優馬のためなら死ねる
優馬と共に優馬の故郷七色浜を訪れた小林さんとクレイジー。しかし道に迷い潮が満ちて来て海中に孤立する事に…。二人とも泳ぎを苦手としている中、優馬は小林さんを先に連れて戻ろうとします。その際にクレイジーを残していけないと泣いて訴える小林さん。普段クレイジーに噛み付かれてばかりいる小林さんですが、クレイジーにかける愛情は本物です。

優駿の門:13巻
早風の死をクレイジーに知らせるな
クレイジーを海から救い出した早風。それによりクレイジーは早風を慕うようになります。別れを惜しむクレイジーを説得した早風でしたがそれは最期の力を振り絞った結果なのでした…。クレイジーに早風の死を知られてはならない。優馬から口止めされた小林さんは天国のアルフィーに早風を託します…

優駿の門:18巻
小林怒る
パートナーだった田辺騎手を失いセカンドは傷心のあまり飼葉も口にせずやせ細っていきます。心配する厩務員のおいちゃんはそれに気を病みついに倒れてしまう。勘違いが元で野山厩舎を飛び出してしまった小林さんは偶然そんな場面に出くわし、セカンドを叱責するというタイトル通りの怒れる小林さんが見られる回。馬に対して怒りを露にする小林さんは本当に珍しいです。

無印編・2

巻数 タイトル/内容

優駿の門:18巻
アルフィーセカンド復活
セカンドを叱った小林さん。しかし自身も厩舎を飛び出した身の上。自分もセカンドもこんな事をしている場合ではない、と涙する姿を見てセカンドは立ち上がります。ライバルであるはずのセカンドですが、小林さんにとってはそれ以上に愛するアルフィーの弟として放ってはおけないのです。おいちゃん、セカンドを勇気づけた小林さんはこの後、優馬の迎えで厩舎へと戻るのでした。

優駿の門:26巻
ジャパンカップまであと七日
走る事に怖じ気づき、人間と打ち解けにくい繊細さを持ったクレイジーの妹ラブゼット。優馬は小林さんをクレイジーの担当から外し、このラブの担当へ回します。この流れで、小林さんが馬と強固な信頼関係をものすごい速さで築く事の出来る希有な厩務員である事が判明。冒頭のラブと仲睦まじい様子はまるで恋人同士のようw 一方でクレイジーからの信頼もかなり強く、ラブと楽しそうな小林さんにクレイジーは強烈な嫉妬心を抱くようになります。

優駿の門:26巻
ジャパンカップまであと四日
クレイジーに触れるなと優馬から叱責された小林さん。ラブも小林さんの気持ちが自分よりクレイジーに向いていると感じてしまい深く傷つき、その信頼関係にひびが入ってしまいます。しかしそこはさすがは小林さん。わずか三日の後には信頼関係は回復。ラブから入水自殺すると勘違いされ必死で止められた後、ラブに決意を告げる小林さんという、相変わらずちょっとずれた所も微笑ましいです。

優駿の門:27巻
これで万全だ
小林さんへの想いから戦意を喪失してしまうクレイジー。しかしG1に集った最強馬たちの姿を目にし、クレイジーの中の競走馬の血が沸騰! 戦意に再び火がつきます。そこへ遅れて小林さんが登場。クレイジーの戦意復活に特に小林さんは必要なかった…とあきれるような展開ですが、小林さんをちらりと見たクレイジーの安堵したような眼差しがあまりに印象的。優馬のいう「これで万全」はこの回のタイトルにもなっています。

優駿の門:33巻
エピローグ
無印ラストで渡米することになった優馬。小林さんはてっきり自分も付いていく物と思っていますが日本に留め置かれます。またしても自分は必要ないんだ…な状態になってしまう小林さん。しかし捨造は野山厩舎は小林でもっているようなもの、小林さん以外に厩舎をまかせるつもりは無い、小林さんあっての野山厩舎と告げ小林さんは感動の涙を流すのでした…。が、後のシリーズでこれは妙な形で裏切られる事になります…。

G1編

巻数 タイトル/内容

G1:03巻
騎乗依頼
新シリーズG1で主役交代があり、小林さんら野山厩舎はレギュラーでなくなりますが3巻でその面々が登場。駿がリップとラブの子であるラブリップに乗ると言う展開が起き、小林さんは優馬との記憶がよみがえります。が、G1では小林さんと駿の絡みはさほど多くありません。サービス的な回だったのでしょうか。

G1:04巻
哀歌とご対面・哀歌のデビュー戦
クレイジーの子哀歌と小林さんが対面する回です。哀歌と対面したらどうするかイメージトレーニングを重ね舞い上がる小林さんですが、実際に哀歌を前にしたらなぜか涙があふれていた…という小林さんらしいエピソード。これに続くレースとその後の様子を見ても、愛したクレイジーの子の世話をしたかった…という小林さんの想いがひしひしと伝わってきます。

G1:05巻
小林厩務員に会いたい
ドバイの王族にして世界的ブリーダーのキャメル総帥が「サラブレッドの進化は終わる」と称した最強馬アイアンマッスル。左京のアドバイスからその厩務員に白羽の矢が立った人物こそが「馬のために死ねる厩務員」小林さんでした。世界トップクラスの競走馬を生み出すキャメル総帥から見込まれた小林さんはまさに世界トップクラスの厩務員ですね。

G1:05巻
小林の真意
アイアンマッスルからも信頼されるようになった小林さん。しかしキャメル総帥はマッスルの活躍する場所はアメリカだと渡米を宣言。小林さんと離れたくないマッスルは飼葉を食べなくなりみるみる衰えていく事に…。マッスルを案ずる小林さんはマッスルの覚悟と決意に答えるため、捨造や神宮寺と袂を分かち渡米を決意するのでした。これまで盤石を誇って来た捨造と小林さんの師弟関係に初めて綻びが生じます。しかし神宮寺に「後から来られた人に上に立たれて面白くない」というのはやはり本心ではありませんでした。

G1:13巻
ボムクレイジーの愛
命を賭して駿のためにケンタッキーダービーを制した哀歌。戦い終わって小林さんは優馬と共に七色浜を訪れ、そこでポンコ、リップやラブと再開します。そして哀歌を失ったクレイジーは巻末である牝馬を助け出します。その牝馬こそが後のチャンプの母になるのです。

ピエタ編・1

巻数 タイトル/内容

ピエタ:01巻
※1巻全て
衝撃的なスタートとなる優駿の門-ピエタ-。冒頭から小林さんを不幸の連続が襲います。しかし、唯一残ったピエタの元には捨造、優馬が再集結。日本の競馬界を襲う外圧、そして小林さんの夢のための戦いが始まると言う文字通り小林さんが中心となるシリーズです。

ピエタ:03巻
スプリングS(ステークス)①
パドックから経営者なんて向かないとの声が飛びショックを受ける小林さん。しかしその言葉の意味は違っており、観客は厩務員の小林さんが好きだと言うニュアンスで言っていたと知り感極まります。作中屈指の厩務員である小林さんですが、同時に観客から愛されるキャラでもあるとわかりますね。

ピエタ:05巻
再会
脅威の加速で皐月賞を制したピエタ。しかしレース後に横たわるピエタとその脇に優馬の姿が…なにかあったのではと駆けつける小林さんでしたがピエタは疲れて休んでいただけでした。慌てる小林さんの「私を残して死なないでください」という言葉からもレース終了後に倒れるというシーンにはやはりトラウマが…

ピエタ:05巻
※後半
困っている人、特に馬を愛する人が困っていると見過ごせないのが小林さん。北海道で恩人の葬儀に参列した際に、高圧的なオーナーとピエタを賭けた勝負に乗ってしまいます。自身と秀子さんの夢の結晶であろうと、馬を愛する者とそうでない者が関わったら小林さんは黙っていられないのです。そして後になってその責任を痛感するのも小林さんなのですが、それを理解できるのが成長した優馬なのです。

ピエタ:07巻
ピエタ屈腱炎〜
賭けなどなんのそのでピエタは無事ダービーを制します。しかしその後、かすかな違和感から小林さんはピエタの屈腱炎に気付きます。ピエタの競走馬生命の危機に優馬は、小林さんはどう動くのでしょうか? 二人の脳裏にはもちろんあの馬が浮かんだはず。続く「小林マジ怒る」の回では、故障してもピエタを菊に出すと言う優馬の言葉に激高した小林さんは、漫画の線が乱れるほどの勢いで優馬につかみかかります。そしてその口から出たのは、やはりアルフィーの名でした…

ピエタ編・2

巻数 タイトル/内容

ピエタ:07巻
肝細胞培養注入治療〜
ピエタの屈腱炎を七色浜で治療すると連れて行ってしまった優馬。捨造の特命もあって小林さんはこっそり様子をうかがいに七色浜へ向かいます。優馬の真意を測りかねる小林さんですが、それより何より七色浜に来た以上クレイジーとの再会が待っています。小林さんとの再会に明らかに舞い上がっていたり、ピエタの意思を読み切れない小林さんを笑うクレイジーがひたすら楽しそうw 優馬もいう通り馬から慕われる小林さんです。

ピエタ:08巻
秀子ちゃんの遺言
遂に語られるピエタの意思の真相。そして優馬、小林さんの中にずっと残っていたアルフィーへの後悔の念…しかし優馬は、ピエタを通してあの時アルフィーが命をかけて優馬のために走った事を悟ります。そしてピエタは秀子さんが最期にピエタに託した「小林さんの夢を叶えてほしい」という願いを叶えるためなら、命を懸ける意思を持っている事を小林さんに話すのでした。
 アルフィーの物語が遂に帰結する瞬間とも言える名シーン。アルフィーを失った後悔はありますが、アルフィーもそしてピエタも優馬や小林さんのためなら命を賭けて走る意思を持っておりそれは優馬や小林さんでも変えられない。小林さんがピエタを案じる以上にピエタは小林さんを愛しているのです…

ピエタ:08巻
前代未聞の特訓
肝細胞注射による屈腱炎の治療と平行して七色浜ではピエタの特訓が行われました。その相手はなんとクレイジーら野山厩舎のOB(OB…?)たち。馬が馬に特訓を行うと言う前代未聞の物でした。しかし引退したのにピエタより大きく、速く、パワーのあるクレイジーは何なんでしょうw

ピエタ:11巻
優馬が帰って来た
ピエタの無敗三冠達成、マレンゴへ乗り換えての勝利などがあるものの、この後優馬は落馬から意識を失い一年近く植物状態に陥る事に。その間に中国資本が侵攻を開始。瞬く間に日本競馬界は駆逐寸前になりますが、ピエタが買い取られるまぎわでポンコたちの叫びに優馬が覚醒、その裏で再度ビジネスで成功したバルブがピエタを買い取り優馬へ預けると言うミラクルプレイが発生、優馬とピエタコンビが復活します。出走前にピエタが小林さんに何やら話しかけますが、優馬の訳だと小林さんの事をちゃんと「小林さん」と呼んでいるのが可愛いですw

チャンプ編

巻数 タイトル/内容

チャンプ:01巻
転厩初戦
クレイジーの子ながらまたまた野山厩舎でなく流巣厩舎へ移されたチャンプ。小林さんは気になって気になって、とうとう女装までして偵察に向かいます。帰って来てからは雨を降らせようと「るてるて坊主」を大量に作るなど、他所の厩舎へ移ろうとも、ライバル馬となろうとも、自らが手がけたアルフィーやクレイジーの弟や子どもは気になって可愛くてしょうがないのが小林さんなんですね。でも女装はどうかと…ノリノリのセレブ小林をみたら秀子さん泣きますよ…w

チャンプ:02巻
皐月の門は開いた
三位に滑り込み皐月賞の切符を手にしたチャンプ。こっそり陰から見守っていた小林さんに気付いたチャンプはお褒めの言葉はないのか?と言った表情w 小林さんに褒めてもらう事、あるいは出走前のエールは、小林さんに関わった全ての馬が望むようです。そして小林さん自身、自分の手を離れても彼らの安全を願ってやみません。その際に「秀子さん、アルフィー、早風、哀歌」に祈る点にも注目。アルフィーと早風は小林さんの中では今も決して消えない大切な思い出の名馬なのですね。

チャンプ:03巻
帰ってきたもう1人の天才
流巣調教師の奥さんを見舞った優馬と小林さん。皐月賞観戦に行くと言って聞かない流巣の奥さんに優馬は小林さんの口を借りて、皐月賞は我慢して日本ダービーにくれば良いと提案します。優馬と小林さんの掛け合いが見事w そしてなにに対しても勘の鋭い優馬に対し、そうでもない小林さん。明るく前向きな小林さんを見ていて助けられる部分も優馬は多いのではないでしょうか。

チャンプ:04巻
1/10000のシミュレーション
豪駿サディスティックマン打倒のため必勝のシミュレーションを開始した優馬。その間のチャンプの騎乗は拳太に任されます。そのため優馬に見限られたと考えるチャンプは食欲を失ってしまいます。心配した文太は小林さんに相談。駆けつけた小林さんはすぐにチャンプの意を汲み取り、チャンプを勇気づけるのでした。小林さんは優馬のように完全に馬と会話できるわけではありませんが、多少なりとも馬と意思疎通が出来るようになって来ています。見ていた文太が小林さんを「厩務員の天才」と賞するのも印象的。優馬が天才騎手なら、小林さんは天才厩務員と同業者からは映るのです。

チャンプ:07巻
始動チャンプ
チャンプに代わり、さきに勝利したはずのライバル馬サデスに乗る事になった優馬。チャンプにはG1の主人公天馬駿が騎乗することに…。撃腕の騎乗法を持ち馬の能力を引き出せる物の馬を壊してしまう事も起こりえる駿。小林さんはそれを踏まえ、さらにチャンプのタフさも含めて駿をフォローする姿は印象的。

優駿の門シリーズを見た感想

この企画を始めるにあたり、実は無印以降の優駿の門シリーズは未読の状態でした。
どちらかと言うとG1を読んだ事からこの企画がスタートした…と言って良いかもしれません。

で、優駿の門をこれから読むという方に解説しておきたいのは、優駿の門という漫画は
無印の段階できれいに完結しています。ブルーエンブレムは瞳の中の最強のライバル
アルフィーに勝利し、それによりボムクレイジーは打倒ブルーエンブレムに火がつく。
二頭の対決はアメリカへ持ち越される一方、優馬が無印全編において捜し続けた
ポンコと遂に再会、一度は心臓が止まったポンコを鈴の音が呼び戻すシーンは最後の
感動シーンと言えます。

 そして始まる続編。G1自体は天馬駿と哀歌が主役ですが、ピエタ以降は実はすべて
連続した物語です。ピエタからチャンプ、チャンプからGPはその結末が米ドラマで言う
クリフハンガー状態で、明らかに伏線を回収せず、これからどうなってしまうんだー!?
な所で終わる感じになっています。

 この記事自体はチャンプまで書きましたが、すでにその続編となるGPが刊行され
完結しています。が、GP自体も新たな伏線とこれからどうなるの? な終わり方をしており
現時点で次回作がありそうな気配がプンプンします。

しかし解説はここで止めておきます。

と言うのも、GPでは小林さんが危惧していたある問題が発生するためです。

実は見所?

無印以降優馬は世界的な天才ジョッキーとして認知されるようになり、大人になった事もあって
無印の時のような破天荒さは若干影を潜めます。そして日本競馬界を背負って立つ人物へ
成長していくことに。
一方の小林さんも若い厩務員から羨望の眼差しで見られるような優れた厩務員となっていきます。

優馬が天才、小林さんも天才、乗る馬は優駿、勝たねばならないドラマがある…
それが連続しすぎて食傷気味になりそうな感じすらします。

 そんな中、見返してみると意外と岡田、そしてベテラン伊賀騎手に目が行くのでは
ないでしょうか?

無印で岡田は持ち馬の獲得にいそしむ冴えない騎手で、優馬や他の騎手からも蔑まれる
ところが多かったです。G1以降は調教師に転向しますがそちらでも色々と悶着を引き起こします。

そして伊賀さんは無印最序盤からすでにベテランであり、全ての作品に騎手として登場し続ける
優駿の門世界の日本騎手における大ベテランです。

 二人とも優馬や左京と言った天才のドラマの陰に隠れレースで一着になる事は
ありませんでしたが、日本の競馬界で着実に実績を重ねている事が伺えます(現に
伊賀さんは作中で3000勝を挙げていると言う記録的な騎手)。そして二人の
日本競馬界にかける情熱みたいな物は要所要所で溢れ出ています。

 なんだかんだで無印時代から伊賀さんは岡田をいつも気にかけていましたし、岡田も岡田で
いつも裏では「伊賀のくそじじい…」みたいに陰口を言っても、実は一番伊賀さんを尊敬していた
のではないでしょうか。
ピエタやGPではオチはある物の岡田の熱い所をかいま見られます。



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