纏を考える Last

深読み注目ポイント・追記

前項であまり古い設定は考察に向かない、と書きましたが
参考になりそうなポイントも少しだけ見てみたいと思います。

48巻では両さんの女性の好みが少しだけ語られます。

「私の理想は 脂の乗り切った 30ぐらいの粋な
女ですからね あんな小娘なんかだめですよ!
ヘタすると父と 娘じゃないですか!」

お見合い相手に気に入られた両さん。両さんが30代中頃という設定は
変わっていないはずで、お相手は15歳差というので20代前半でしょうか。
良家の娘さんとも言っているので条件的には纏と大して変わりません。

 纏に対して親子ほど離れている、小娘といった感想を
持った事が無いのはやはり時代の流れとしか言いようがありません。
また、両さんの好みに「粋」が含まれているのポイント。

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(137巻)
両さんは粋で鯔背な女性に実はかなりに弱いです。
 加えて、こち亀を通して読むと両さんは自分と共有あるいは、
共感する思い出や思いを持ってくれる人を欲しているように見えます。

思い出や趣味を語っても周囲の理解が得れない、驚かれるか呆れられる
全否定されたりする中、下町の話で通じる纏。
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(126巻)
これまでならMy撥を持っている、と言っても呆れられるかバカにされる
だけだったでしょうが「あたしだってもってるよ」と返って来る。
お互い似た者同士で負けず嫌い。ベーゴマも持ち歩いていたりと
両さんはイライラするのもあるでしょうが、こう言った同じ次元で
張り合ったり、言い合ったりできるのは実は纏だけだったりします。

 作中結構理不尽に悪者扱いされたり、いじられたりする事のある両さん。
100%悪いわけではないのに全部両さんのせいみたいなケースも
結構あったりしますがそう言う場合纏は出て来ないか、出て来た場合
両さんの側に付く事もあります。
 婦警のなぎなた部と対立した際は両さんに冷静になるように
言ったり、婦警がサンバに参加する際も纏は不参加だったり、
というのがありましたよね?

 中川たちに代わって派出所にやって来た時も、両さんに
味方してくれたりしました。

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コレクター、マニアがついついやってしまう長い説明。
ドン引かれる事も多いですが、ちゃんと取り合ってくれるのも
纏の良い所。ただしわからないことは「わからん」
と一蹴されます。
 兄憂鬱つながりで若干の共有が出来るというのも
大きなポイントです。とっかかりを纏から、補完を
両さんという自然な流れで会話が進みます。

 と言っても、一方的に両さんに合わせたり肯定したり、
両さんを甘やかす都合の良いキャラなら良い、と言っている
わけではありません。ギャグ要素を抜きにして常に両さんを
理解し、正しい事をしている時は味方に、間違っている時は
それを正してくれる。知識などわからない事も相互に
補いあえるような、両さんと同じ目線に立っているキャラが
必要だったのではないでしょうか。

「子どもたちの 幸せもいいが 自分の幸せを
大切にした方が いいよ!」

50巻。沖永良部島で両さんが出会った小学校のゆりこ先生に
対して言った言葉。
両さんは自分の幸せに付いてどう考えているのでしょうか?
擬宝珠家に囲まれて檸檬や蜜柑に懐かれるのは?
自分の子どもが欲しい…となったりしないでしょうか。

184巻でミリオタ同士の合コンをセッティングした際は
麗子たちから「自分の事はいいのかな」と心配される事も…
当の両さんは
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何か悟りを得たかの様な落ち着いた表情とセリフ。

「子供が生まれて 夫婦から初めて 家庭になるんだ
子宝がいれば 何もいらんよ」

両さんの弟金次郎に娘京子ちゃんが生まれた時の
銀次の言葉。

纏、檸檬に蜜柑と擬似的な家庭を築いて来た両さん。しかし
このセリフから鑑みると両さんのそれはやはり夫婦でも
家庭でもないという事になりますが…

35年後

単行本183巻で35周年を迎えたこち亀。記念として35年後の世界である
2046年を訪れるという「2046年未来の旅の巻」があります。
過去へ旅立つ話は何度かありましたが、未来に飛ぶというのは
この話くらいでないでしょうか。

この話が出た時点では5年後にこち亀が完結するとは決まっていなかった…
はずですよね。なので両さんの未来を明示したようなポイントは抑えられていません。
しょうがないですね。

 で作中の35年後で登場するのは中川、麗子そして檸檬のみ。中川も麗子も50代の
はずですがアンチエイジングを施し全く老いを見せていません。檸檬は39歳になり
美しく成長。部長は90代、夏春都は140歳で健在というのが恐ろしいです。

注目すべき点は、超神田寿司が料亭に変わっている事、檸檬の息子が
ゲームをやっている事、纏と夏春都は日本橋で呉服屋を営んでいる事でしょうか。

 警察に続く第二の舞台となった超神田寿司がアッサリと寿司屋で
なくなったのは衝撃的です。寿司屋と同じ飲食業ではありますけど。

檸檬に息子がいるというのでお相手も気になります。
作中で檸檬はゲーム等を全くやらないのに息子はゲームをやる
という事ですが、これは

1,両さんの影響で檸檬もゲームをやるようになった結果
2,旦那がプラス
3,旦那が両さん
4,息子が親戚のおじさん(両さん)の影響を受けている

のいずれか、と考えるのは穿ちすぎでしょうか?

1に関しては今の子供がゲームなどを一切やらずに成長できるか?という事も
あるので可能性としてはありえます。ただ纏はゲーム等は一切やらないし、
PCや携帯もあまり必要とせずに成長しました。

2ですが、小学生の頃からゲームを製作している側の
プラスが父親なら自然にゲームをプレイする子供になるでしょう。
ただ檸檬が幼稚園時代のボーイフレンドであるプラスと
結婚…とまで考えるのはすこし早計かとも思いますが。

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(149巻)
それでもプラスは現代の檸檬にとって最も気になる男の子で
あることは確かなようですね。

そして3。30歳以上の年の差がある檸檬と両さんが結婚するとは
考えにくいですが、両さんの子供ならゲームはきっとお手の物でしょう。
ただ原作の檸檬は両さんに懐いてはいますがアニメの様に結婚したいとまでは
言っていません。両さんと結婚したなら、35年前からタイムスリップして来た
両さんに特に反応しないのも不自然に感じます。

それでも親族である両さんが35年後も擬宝珠家に出入りしていれば、
檸檬の息子に色々な遊びを教えている可能性は十分ありえます。
もしかしたら料亭超神田で包丁を握っているかもしれませんよね。

と言うか檸檬の旦那でもないにそこまで影響を及ぼせるという事は
息子の伯父(つまり纏の…)なんじゃ…
というのは願望まじりの深読みですかねw
と、これが4。

纏と夏春都が呉服屋という畑違いの事をやっているのも
不思議です。下町っぽいと言えばそうですが、なぜ呉服?

呉服…? 呉服と言えば…

両さんが早矢についた嘘が呉服屋ですよね。剣乃介の
手前引っ込みが付かなくなりましたが、もしや
浅草では店舗を用意できなかったものの、日本橋で
呉服屋を開いてごまかした結果、流れ流れて夏春都が
老後の楽しみで営む事になった…とか?

纏と両さんの未来

 今回の企画、いかがだったでしょうか?
深読み、単に私個人の妄想の域を出ませんが、私は纏を両さんの家族に
するべく入念に作り込まれたキャラであると感じました。

こち亀は200巻を持って終わりました。もし再びジャンプに両さんが
帰って来たとしても、その時はこれまでと変わらず、派出所で部長に怒鳴られたり
している両さんでいることでしょう。
 だからこそ格式張った最終回などではなく、いつもの記念回のように終わったし、
両さんが結婚するとか警察を辞めると言った事も起こりませんでした。

 しかしこち亀世界の時間が進むとしたら両さんは、そして纏の未来は
どうなるのでしょう?
例えば、二人が結婚する未来はあるんでしょうか?

120巻、登場から超神田寿司入りして割とすぐに最初の結婚話が持ち上がりました。
この際は倉の地下にあった財産に目がくらんだ事、夏春都の反対もあって
立ち消えましたが、その直前まで纏は夏春都の反対があろうとも両さんとの
結婚を考えていました。

以降、夏春都が反対している、又いとこであるという二点が主に障壁となり
結婚話は抑えられた…というのが一般的な見解です。
 秋本先生の見解としても、纏と結婚させたら話が終わってしまう、又いとこ
(親族である)という事で好き嫌いの関係とは違う身内同士にした、とのこと。

が、これまで見て来た通り夏春都は両さんを高く評価しています。職人として…
腕もそうですが、勉強熱心で真剣である事、同僚たちに接する姿勢も
亡き喜一郎さんに重ねているようでした。
人間性の面でも檸檬や蜜柑に対する優しい姿を見て来た事でしょう。

何度も書いてきましたが、200巻・事実上の最終話で夏春都は大切な喜一郎さんの
時計を両さんに譲りました。
 それを両さんが渡米してまで修理したのはきっと予想外の事だったはずです。

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夏春都が両さんを嫌う理由はもう無いはずです。

 結局、両さんが結婚したり子供が生まれたりという自身の家庭を持つ事は
ありえるのでしょうか? あるとすればお相手は?
全ては秋本先生のお考え次第としか言いようがありません。

両さんに擬似的家庭を持たせようと考えて作られた擬宝珠家、
纏も檸檬も夏春都も私は大好きなキャラです。疑問視する人はいるかも
しれませんが、ドタバタで破天荒な両さんと共に優しくて格好良い
浅草一郎も大好きです。

 そのために作られた纏であるためか、少女時代のエピソードを丁寧に書いた回が
何度かあったり、両さんと二人で行動するシーンなど印象的な場面も多かったです。

明確に描かれる事はないかもしれませんが、両さんと纏という未来をちょっと
見てみたい…と思いましたとさ。

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136巻「熱球の友情」
単行本で追加された本編後のエピソード。
 この話は纏と、幼馴染みで中学時代バッテリーを組んでいた親友の
小夜子を軸としたストーリー。

纏たち、特に両さんの清濁合わせた活躍で最後は更生を誓う小夜子。
シリアスタッチな回でした。
 追加シーンではいつもながらの「うるせーばーか!」ですが、この時の
両さんにはきっと纏も感謝しているはずです。

 道を誤ってしまった親友がいるというのも実は両さん、纏の
共通点だったりします。

両さん・纏ファンにおすすめの巻

 これまで纏登場以降のコミックスを200巻まで見て来ましたが両さん・纏の
組み合わせが好きなあなたに、私がお勧めするシーンの載った巻を紹介します。 

126巻
纏妊娠騒動の巻ですが、注目はそちらよりむしろ、中学時代の
ボーイフレンドだった純君と邂逅する「祭の日に…」
蜜柑誕生に際して細かな心遣いを見せる両さんなどです。
133巻
女子なぎなた部と争う事になった際の纏の反応、早矢や菜々たちと共に
派出所勤務となる話などが収録されています。
微笑ましい言い争いや、檸檬の好き嫌いに頭を悩ませる二人の姿は
必見のお勧め巻です。
137巻
檸檬が夏春都へプレゼントとして和菓子を作ろうと思い立ち早矢に助力を
願う話では両さんと纏が見事に役に立たず、ボケツッコミをしたり邪魔に
ならないように二人で遊んでたりするのが楽しい 「レモンのプレゼント!の巻」
 酒に酔って纏が良い女になったと漏らしてしまう回などが収録されていて、
こちらも必見です。
145巻
お勧めするのは「わし達の寅さんの巻」です。纏と二人で「男はつらいよ」の
舞台柴又へ出かけるという話。偶然出会った署長宅で、面倒見の良い所を見せる
纏の姿も実に良い感じです。
 夏春都が両さんを亡き喜一郎さんと重ねる話もこの巻に入っています。
その際の纏の驚いた顔も必見。
149巻
早矢の故郷京都の祇園祭を舞台にした続き物の話が収録されています。
それぞれ目的は違うのですが、行きも帰りも京都でも仲良さそうな両さんと
纏、檸檬の姿にほっこりしますw
帰りの新幹線で修学旅行話に花を咲かせたり、最後までいい雰囲気です。
151巻
年賀状絡みで「どこいくんだ!」「パチンコだよ!」のやりとりが見られたり、
両さんが恵方巻に乗り出したりする話が収録。
 ですが注目は、両さんたちが年末のアメ横へ出かける話です。アメ横の話で
盛り上がったあとは、二人で大捕り物に大活躍!
153巻
ソロバンを復活させたい、と両さんが頼まれた話は両さんのお相手は
ほぼ纏という珍らしい回です。
 檸檬たちと閉館間際の交通博物館に出かけるのもこの巻収録。檸檬や蜜柑と
仲良さそうな両さんはまるで父親のようw
亡き喜一郎さんの姿が見られます。
160巻
纏の登場は多くないですが、大阪に超神田寿司の味を届ける話は
一見の価値ありです。夏春都が腕をふるい卵焼きを届けます。
 纏が活躍する話もあります。両さんと纏の絶妙な連携で祭を盛り上げる
最高のシチュエーション!
162巻
年末に実家へ帰るように言われた両さん。帰ってみれば実家の佃煮屋は
破産寸前で…両さんが奮起し、夏春都や纏も呼び寄せ、結果両さん結婚騒動に
三たび発展。という一連の話が収められたのがこの巻。
誰もが勘違いしてしまうほど仲睦まじい二人の姿は必見です。

お勧めはこのあたりでしょうか。以降は登場機会が減るか、
登場してもあまり個性的な活躍は見られなくなってしまいます。
それでも終盤ですと198巻、最終200巻は一読すべき
注目ポイントが多いです。

特におすすめの3つの巻

133巻 145巻

149巻

133巻は纏たちが派出所勤務になる話、145巻は纏と二人で柴又へ出かける話、
149巻は纏たちと早矢の待つ京都祇園祭へ行く話が収録されており
それらの話が特に一押しのおすすめだと思いますです。

表紙登場回数

付録として118巻に登場以来、纏が何回表紙に登場したかを
数えてみました。なお、カバー表のみで計算しています。

  1. 119巻@両さん、中川、麗子、マリアと
  2. 125巻@両さん、夏春都、檸檬と
  3. 126巻@両さんと
  4. 129巻@キャラたくさん
  5. 131巻@両さん、早矢、左京、右京と
  6. 134巻@キャラたくさん
  7. 135巻@両さん、麗子、マリア、ジョディー、菜々、早矢、檸檬と
  8. 137巻@両さん、夏春都、檸檬と
  9. 138巻@両さん、檸檬、蜜柑
    背景で両さんと
    下段に麗子、中川、マリア、月光・美茄子刑事
  10. 141巻@両さん、中川、麗子、犬、早矢と
  11. 142巻@両さん、麗子、マリア、早矢。檸檬と
  12. 147巻@両さんと
  13. 149巻@両さん。麗子、檸檬、春、レイと
  14. 154巻@両さん、部長、中川、麗子、マリア、檸檬、蜜柑と
  15. 155巻@両さん、中川、麗子、本田、檸檬、蜜柑と
  16. 156巻@キャラたくさん
  17. 162巻@両さん、檸檬、蜜柑と
  18. 165巻@両さん、早矢、檸檬と
  19. 169巻@檸檬と
  20. 170巻@複数キャラとともに背景に
  21. 173巻@キャラたくさん
  22. 178巻@両さん、檸檬、蜜柑と
  23. 181巻@両さん、早矢、檸檬、雪丸と
  24. 182巻@両さん、檸檬、蜜柑、夜婁紫喰、桔梗、雪丸と
  25. 184巻@檸檬、雪丸と
  26. 186巻@両さん、中川、麗子、マリア、早矢、夏春都、檸檬、春、レイと
  27. 187巻@両さん、檸檬、蜜柑、桔梗、雪丸と
  28. 196巻@単体
  29. 200巻@両さん、中川、麗子、檸檬、蜜柑と

えっ!? 29回?
なんかものすごく表紙に登場している気がしていたのでちょっと
意外でした。それでも「多すぎだ!」という方もいるでしょうが…
 118巻で初登場してから29回ですから、登場から完結までの単行本
82巻の29巻分、約三巻に一度は表紙に登場した事になります。

単体で登場したのが196巻の一回だけというのも意外です。
基本大勢のキャラの一人か檸檬と二人。
それ以外だと両さん、檸檬、蜜柑との組み合わせが多い事から、
やはり両さんの擬似的な家族という側面が強い事が伺えます。

参考にしたサイト様

こち亀データベース
こち亀データベース
膨大なこち亀各巻のエピソードをまとめたサイト様です。
あの話は何巻だっけ? そんな時に重宝する便利でありがたい
データベースは今回の記事を書く際にとてもお世話になりました。
 わかりやすいキャラクターガイドを読んでいるだけで猛烈に
時間が経過していたりして、こち亀の歴史の長さを改めて
痛感した次第です。
擬宝珠纏@インターネットカメダス
こち亀を扱ったwikiベースのアーカイブの纏の項目です。
 当記事を書き終えた頃に見つけ、その着眼点や几帳面なデータに
驚かされました。もっと早く見つけていたら、今回の企画自体
スタートしなかったかも…
この記事を書いた方は相当の纏好きと見ました。
 詳細で興味深い記録もあるだけに、途中で止まっているのが
残念でなりません。

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