こち亀完結記念・纏を考える登場編

40年に渡り連載され、2016年のWJ42号、コミックス200巻を持って
完結したこち亀こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。その歴史は
週刊少年ジャンプの歴史そのものと言える、ジャンプを代表するどころか
日本を代表する漫画ですね。

と、今さら映画、アニメ、舞台、ドラマにもなった超有名作について
グダグダ説明する必要は無いかもしれません。

 主人公は女性に持てないどころか、署内の婦警、特に交通課婦警から
生理的レベルで嫌悪されている両さんこと両津勘吉。作中では
エロムックばかり読んでいるスケベではありますが、麗子と
いい雰囲気だった時期があったり、マリアや早矢に好意を寄せられたり、
右京にときめいたりと恋愛事情が皆無と言うわけではありません。

 私が両さんとの組み合わせで一番好きなのが纏。両さんと同じ
下町っ子、祭好きで粋でいなせな婦警さん。さらにその妹の檸檬や蜜柑、
祖母で両さんにとって大叔母に当たる夏春都と進む寿司屋での雰囲気は
家族みたいで印象的でした。

 両さん実は良い人、感動、みたいな話は時折ありましたが
纏、檸檬、蜜柑、夏春都が登場してからは彼女ら擬宝珠家の人々が絡むと
ほんの少しのコマでも、両さんが細やかで優しい面を見せるように
なるのがとてもほっこりしました。
たとえその後オチがあったとしてもw

 今回は両さんと纏が作中でどう絡んでいるかをふり返り、
なぜ纏と擬宝珠家は生まれたのか、両さんに家庭を持たせるとは
どういった事だったのかを中心に、こち亀全体に付いても考える
という試みです。

纏、そして擬宝珠家中心となりますがこち亀ファンの方は
よろしければお付き合いください。

118巻

ここから纏が登場します。背表紙も纏なのでわかりやすいです。
ただこの時点では、遊びの腕前から、下町の文化・風俗の知識
人情の面でも両さんを圧倒する両津キラーみたいなキャラで、嫌われる
可能性も感じられました。事実「寿司屋が出てきてからつまらなくなった」
と言う意見が見受けられます。

一方で纏が絡むと両さんは子供っぽくストレートにぶち切れると言うのは
すでに見られます。

寿司屋は最近…と言うイメージがありますが118巻の初版は2000年3月。
WJに掲載されたのは1999年なので20世紀には登場していて、登場から
16年も経っているんですね…。

なお「お熱いのはお好き!?の巻」
本編に登場しないのにタイトルが談笑する両さんと纏です。
タイトル画像と内容が若干リンクしない理由はかなり後になって
判明します。

119巻

登場したてという事もありますが両さん、中川、麗子、マリアと
共にいきなりカバーに登場。檸檬も背表紙で初登場します。

作中では夏春都が登場。そして両さんが謹慎処分になり遂に
超神田寿司に入ります。纏登場の次巻でもう寿司屋になってたんですね。

この謹慎になった理由が纏が殴られた事に怒って、殴った相手を
ボコボコにするという物。その後の二人の会話がいいのですが
この時点ではお互いの血縁関係、そして纏は両さんの本性をまだ
知らないのでノーカンでw

120巻

最初の結婚騒動「両さんのミレニアム婚!!の巻」
冒頭から突如持ち上がる両さんと纏の結婚話。しかし両さんが
夏春都の兄勘兵衛の孫である事がわかり、二人は又いとこの関係と
発覚! 纏登場から二巻で色々起き過ぎです。
まあ擬宝珠家の財産に目がくらんで、纏、マリア、早矢に愛想を
付かされるという、安心のオチです…が

なお、又いとこ同士での結婚は法的に可能です。

121巻

前巻ラストで結婚話が立ち消えになったのにさすがギャグ漫画。
「聖橋白線流しの巻」で何事も無かったように纏再登場。
その中での

「少し休んでいこうぜ纏!」
「えっ? まだだいじょうぶだよ!」
「祭を見に来た麗子達が疲れてる」
「あっそうか!」

何気ないやり取りですが、若いので元気はつらつな纏に
年長者らしく気遣いを見せる両さんの何気ない
やり取りが良いです。
あと纏は話しかける時に基本両さんに向かって話しかけます。
なぜかは知らないけど…

表紙は檸檬と両さんの121巻ですが、檸檬は登場せず
纏も上記の話にしか登場しません。結婚話がご破算になって
若干フェードアウトでしょうか。

122巻

注目は「超神田寿司出前大作戦!の巻」。ジェットスキーを出前に
使おうと考えた夏春都。両さんが纏にジェットスキーの
乗り方を教えたり、水路にも詳しいと感心されたりするなど
下町の知識面で纏が全て上という感じではなくなってきているようです。

122巻は肝心の纏の登場はここだけ。檸檬も未登場です

123巻

有名な「檸檬が泣いた日…の巻」が収録されている巻です。
続く檸檬に自転車をほぼ自作してしまう回も合わせて
両さんが擬宝珠家の女性陣に好かれる理由が何となく
わかるような感じが出てきますが、両さんって元来優しいし
正義感が強い人でもあるので、別に檸檬が特別と言うわけでは
無い気もします。この時点では。

纏関連でいくと注目すべきは幼稚園に貼られていた
檸檬が描いた絵が両さんと纏二人の絵だった辺りでしょうか。
書は達人レベルでも、絵は年相応だったりします。

123巻

「チャットで人生勉強!の巻」
まだ一般に浸透していなかったためかチャットとメールが
こんがらかっているのが面白いです。両さんがチャット相手に
まんまと騙され金品を貢がされてしまうと言うのもなんか新鮮。
ちなみになりすましていたのが夏春都w

注目すべきは何でも買ってくれると笑う夏春都が纏にも
何か欲しい物はあるかと聞くと「いいよ別に」と
断る所。
自業自得でも両さんを利用したりしない点はこち亀の
キャラとしても特異です。

124巻

プラスが檸檬に一目惚れします。メールばかり送るプラスに
困惑する檸檬を見た纏は両さんにそれを相談。
めんどくさかったり、変わった人ばかりだけど、実は両さんは
纏にも檸檬にもプラスからも信頼されるようになっていきます。

125巻

檸檬と二人で京都へ向かいます。京都にいる纏たちの兄憂鬱が
ここで初登場。
江戸村で檸檬と遊ぶ両さんの姿は親子そのもの。途中見かけた
窃盗犯を捕まえる際にいつものように調子に乗ってしまいますが
檸檬は大喜びでした。ちなみに纏は憂鬱の回想シーンくらいしか
出てきません。

アニメの方の影響なのか夏春都は両さんを嫌っているような印象が
ありましたが、そうでもないですね。今回も両さんに憂鬱を
まかせ餞別を渡しています。無論現金は無駄遣いするとお食事券
なのですが(それを見抜いている纏と愕然とする両さんはもう
お約束になっています)、両さんはそれを換金する事くらい
夏春都ならわかっているはず。それでもちゃんと両さんにくれる
あたり憎めない人です。

ラストは裸踊りに興じる両さんですが、夏春都、纏、檸檬の
怒るでも笑うでも呆れるでも、それらが入り交じったやれやれ
みたいな反応が面白いです。夏春都は「両津家は下品だから嫌だ」
と言っていますが決して両さんが嫌だとは言っていないのもポイント。

126巻

表紙から「何事!?」な126巻は冒頭から両さんと纏が
夫婦に見える、檸檬と親子に見えるなどと言う話から、
あれよあれよと纏の妊娠騒動に発展。
もちろんオチはそんな事は無いのですが、いくつかわかった事が
あります。

まず両さんは子どもの出来るメカニズムを理解できてない事。
Dr.スランプの千兵衛さんみたいですね。

泥酔した纏に手を出すような思考を持っていないこと。
親族だからそう言う発想に至らないと言うのもあるかもしれませんが、
そもそも両さんならそんな事はしないですね。

仮に纏との間に子どもが出来てしまったら結婚する気でいる事。
周りが騒ぐと乗っかってはしゃいでしまう両さんではありますが
嬉しそうに見えるのは気のせいでしょうか…

 妊娠していたのは纏のお母さんで、後の蜜柑が生まれる
事になります。その際名前をどうしようと言う話になり
両さんが
「祖母の名前の夏春都にちなんで…」
「あたしの名からかい!」
にちょっとほっこり来たりw

「年賀ハガキ人生模様!の巻」より
01
タイマンできるキャラとして作られた纏ですが、見方を変えると
両さんと同じ目線に立てるキャラって事でもあります。
二人揃って驚いたりはしゃいだりする姿は見てて和みますね。

「祭りの日に…纏の少女時代編」では纏少女時代の
ボーイフレンドだった純君が登場。ただし純君は七年前に
亡くなっていて…というたまーにある心霊系のお話。

注目すべき点は、純君の姿を見かけ走り出した纏を
両さんが息を切らせて追いかけてきた所、両さんも
純君の姿を見た事、そして「なんでもない」などとぼやかす事無く
純君の話を両さんにちゃんと話す纏。

 蜜柑出産の際には不安になる檸檬に自信をつけさせようと
夏春都にこっそり相談する両さん。
02
夏春都もそりゃあ両さんを評価するってもんです。

纏登場の多い126巻は最後の話も纏絡み。太鼓から纏と
またまた張り合う両さん。しかし初登場時と違い纏が勝って
終了と言う流れではなく、ヒートアップする両さんに
怒る纏、ちょっと反省する両さん、何かが起きてはしゃぐ両さん
最後は付いていけなくて負けを認める纏といい感じのパターンが
出来つつあるのがわかります。

127巻

前巻で色々あったせいかこの巻ではあまり活躍しません。
両さんが擬宝珠一家に番組で景品のハワイ旅行をプレゼントする
話が注目でしょうか。

ハワイ旅行ですが条件としてファミリー参加のテレビ出演が
あることがわかり両さんはそれを隠して一人で参加。これが
本田やボルボ、左近寺なら強制参加だったでしょうが
擬宝珠一家の旅行に水を差したくないと、隠し通す両さんは
オチがギャグとは言えカッコイイですよねw

03
筋肉番付的な番組の賞品だったのですが見ていた
夏春都の感想に対しての纏の反応にニヤニヤしますw


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